フランス料理の原型「トスカーナの郷土料理」
イアリア中央部に位置するトスカーナ地方。
東にアペニン山脈、西にはティレニア海があり、 山の幸、海の幸と素晴らしい素材に恵まれています。
これらの素材を厳選して生まれたのがトスカーナ料理です。調理は至ってシンプル。
土着のオリーヴオイルや塩で仕上げ、素材の味わ いを存分に引き出します。
かつてフィレンツェで栄華を誇ったあのメディチ家の人々もこのトスカーナ料理に舌鼓をうったとされ、今もなお美食の伝統を誇っています。
また、トスカーナ料理はフランス料理の原型となったことでも有名です。
16世紀ルネサンス期のフィレンツェから、当時のフランス王オルレアン公アンリ・ド・ヴァロワ(後のアンリ2世)に輿入れしたメディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスと、フィレンツェから帯同した大勢の専属料理人や香料師たちによってもたらされたイタリア「トスカーナ地方の郷土料理」と、彼らの持ち込んだ氷菓、ナイフ・フォーク(の使用)などが、フランス料理とそのスタイルの原型と言われています。
塩味がなく表面の固いトスカーナ・パン、キアーナ牛のTボーンステーキ、イノシシ肉のシチュー、白インゲンやヒヨコ豆を使った豆料理、細かく切った牛の胃袋をトマトソースで煮込んだトリッパ、鹿や兎のロースト、うどんのような生パスタのピーチ・・・トスカーナ料理は農家の料理をベースとしたシンプルで豪快な料理。
どれも素材の旨味が前面に押し出された繊細な味わいが特徴です。
トスカーナ料理に合わせたい「トスカーナワイン」
イタリアにはその土地土地で愛され続け、 大切に受け継がれてきたその地固有の伝統的なブドウ品種が残されています。
トスカーナ料理に合わせたいワイン、ブドウ品種で選んでみてはいかがでしょうか。
トスカーナ料理全般に合う「サンジョヴェーゼ種」
トスカーナ地方で伝統的に栽培されてきた「サンジョヴェーゼ種」を主体に作られるキャンティ地方のワインは、鮮やかなルビー色とフレッシュな味わいが魅力です。
通常の「キャンティ」と「キャンティクラッシコ」がありますが、どちらもトスカーナ料理全般によく合う DOCGワインです。
同じく「サンジョヴェーゼ種」を主体に伝統的製法で作られた「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」。
熟成期間が短く果実香豊富なミディアムボディ。こちらもトスカーナ料理によく合うポピュラーなDOCワインです。
煮込み料理やビステッカには「ブルネッロ種」
「ブルネッロ種」を使用したより芳醇なフルボディのDOCG「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は、煮込みやビステッカなど胡椒の利いた強い味わいの料理によく合います。
料理の味をさらに引き立て、余韻をさらに長く保たせてくれます。